「外国人との英語での働き方講座」参加レポート
2019年4月5日に富士通クラウドテクノロジーズ株式会社のセミナールームで開催された「外国人との英語での働き方講座」に参加してきました。
主催者は千代田まどかさん、通称「ちょまど」で、共同主催者のロッシェルさんとともに最近「マンガでわかる外国人との働き方」という本を出版されたそうです。
まずはちょまどさんからの始まりの挨拶。
ロッシェルさんは、日本の大学で日本語を勉強した後、日本の銀行に就職。そこは伝統的な日本企業で、グローバル化に伴い、外国人の雇用を増やしたが、外国人の扱い方がわからない、接し方わからないという課題を解決していた。その経験を活かして、現在は異文化理解を専門とした経営コンサルをしているとのこと。著書に「英語の品格」などがある。
ちょまどさんはマイクロソフト社のCloud Devloper Advocate (マイクロソフトのクラウド製品の技術的な広報かな?)で、その肩書では日本人は2人しかいないそうです。
アレックスさんはアメリカ生まれの日本と韓国のハーフで、日本人がグローバル環境で働くための研修やコンサルをしているとのこと。
ここからは講義の内容を箇条書きで紹介していきます。
グローバルで働くための心構え(アレックス)
- バーモント州生まれ、南カリフォルニア大学卒
- グリー 国際戦略部ののち、現在は SPARKDOJO を運営
- ミッションは世界で活躍できる日本人を増やすこと
- 持っておきたい心構えは「あなたはすでに日本代表」。出会う外国人にそう見られている。
- あなた自身の規格は?
- MDウォークマンをかつて使っていました。現在も使っていますか?
- USB-TypeCのような新しい規格も登場してきている。新しい規格に対応する意識をしていこう
- 大事なのは英語だけじゃない。EnglishとGlobal Communicationの違いを理解する
- SPARKDOJO
- MINDSET
- 心の持ちよう
- LANGUAGE
- 単語、スピーキング、文法
- TECHNIQUE
- コミュニケーションスキル
- MINDSET
- CASEC(英語力)とコミュニケーション能力の相関
- そこまで関係ない。英語力高くてもコミュニケーション能力低い人もいる
- MINDSETについて深掘り
- 知的好奇心
- 社交性 smalltalk(雑談)ができるか
- 自信と印象
- 異文化理解
- リーダーシップ
- 異文化理解
- 昔、「ここがヘンだよ日本人」という番組がありましたね
- "when cultures collide" 欧米から見た日本を書いた本
- They are short on words. 言葉足らず
- They say yes when they mean no. Noといえない日本人
- They never look you right in the eye. 目を見て話さない
- They lack individualism and all behave the same way. 集団主義。個性がない
- まとめ
- 大事な心構え
- 勉強よりも練習
- 知識よりも自信
- PRACTICE makes perfect
- 大事な心構え
外国人との働き方, 便利な英語フレーズ講座(ロッシェル, ちょまど)
- 便利な英語フレーズ +ロッシェルさんの英語解説
- マンガでわかる外国人との働き方から引用しながら紹介
15話 外国人の前で日本語を長く話すのは厳禁
- SQL 日本語だとエスキューエル、英語だとシークル
- ちょまどさんの実体験
- 会議で日本語を使いたいときは
- Please excuse us. We need to speak Japanese for a moment.
- We need to check some details.
- 3分以内で会話する
- Thank you for your patience.
- We were able to confirm that we all have the same understanding.
7話 英語が苦手は恥ずかしくない
- 英語での会話が盛り上がってるとき。早口で聞き取れないなあ。わからないことを質問して話の腰を折るのが申し訳ない
- 英語で適当な相槌は Nice.
- (Niceばかり使っていると、こいつ適当だなあ、と外国人に思われそう)
- 英語圏でよくある名前(田中太郎的な)はジャック
- 本の中の漫画のセリフや名前の設定の裏話が面白かった
- わかっていないのにわかったふりをするのはだめ
- わかりにくいと思ったら
- Could you speak more slowly?
- Could you slow down the pace a bit?
- I noticed just a few people do most of the talking. Can we do something to change that? 決まった何人かしか話していないんだけど、なんとかならない?
- Could you please explain what you mean by ~ ?
17話 会議では自分の意見をしっかりと
- 英語圏の人が発音しにくい日本人の名前は葵(アオイ)。母音が連続すると難しいらしい。
- 日本人は、「他の人(〇〇さん、部長の、とか)の意見を聞いてから…」となりがち。
- 外国人の上司に説明「日本の会社には話す人が決まっている会議があるらしい」
- 会議の場ではみんなが貢献しなければならない
- 何も言わないと何しに来たのと思われる
- 個人の意見を言うことが期待されている。日本はグループの意見をいいがち
- だまっていると、次回呼ばれない。時間をお返しします。
- This is what I think.
- Here is my opinion.
12話 会議の場では積極的に
- 自分が言い出すタイミングがつかめない、割り込めない
- 日本では他人の言葉を遮るなとおそわる
- 日本では沈黙が会話の交代の合図
- 海外では沈黙は来ない
- 話したいときは
- May I say something?
- I'd like to comment.
- I have something to say.
- 注目を集める、手を振る、ホワイトボードに書き始める、タイムアウトのポーズ(多用注意)
- 会議が終わったら
- Let's confirm what we decided today.
- To recap, the action plans created in this meeting are ...
- To reconfirm, the next steps are...
- Here are the tasks assigned to each person to do before the next meeting.
- あなたのネクストステップは?担当者とやることのリスト
11話 日本のことを説明できますか
- 英語になった日本語といえば? karaoke, karoshi 過労死
- 外国人は時に難しいテーマを聞いてくる
- なぜ日本のアイドルは被害者なのに謝るの?
- なぜクジラを食べるの?
- どれほど話したいのか自分で決めよう
- ビール飲みながら話そう
- 難しいテーマなので職場ではやめましょう、と伝えることもあり。
9話 起承転結の順番では伝わらない
- 時系列で出来事を外国人の上司に伝えたら、「要点は何?」
- パラグラフ・ライティングの方法を活かしましょう
- トピックセンテンスで結論をまず述べる
- サポートリーズン なぜそう思っているか、3つくらい理由を並べる
- 最後に結論を述べる
- 話すときもそういう構造で話す
おまけ
- ちょまどさんの実体験、良かれと思って外国人の上司を会議に呼ばなかった
- 最初は日本組だけで日本語で意見をまとめてからアメリカ人の上司と会議
- 上司は疎外感
Q&A (ロッシェル, ちょまど, アレックス)
Q:空気を読むことをどう思うか?
- ア:日本に来る外国人は日本に興味があるので「空気を読む」というのは知っている。ふざけて read the air と言うこともある。空気を読む=コミュニケーション能力高いと言える。日本人は、相手が何を言いたいのか考えてる。一方で、読みすぎて何もしないのは良くない。また、外国人に空気を読むことを求めすぎない。
- ロ:以心伝心、察する、といった言葉があるように、それらは日本の文化である。外国人から見ると、空気を読む日本人は何を考えているかわからない。察することができる外国人は少ないことに気づいてほしい。
Q:文化のどういう話がもりあがる?
- ロ:話しやすいテーマといえば、好きな食べ物、好きなレストラン、食べ物の話。趣味、スポーツ、共通の関心でもよい。本の中のマンガだと、いきなり既婚者ですか?と聞いてドン引きされる話(外国でも日本でも)があるが、何がタブーなのかも知っておくと良い。
- ア:日本に来たときにびっくりしたことは?あなたの国ではどうなの?
- ちょ:過労死の話が一番盛り上がった。次に名刺交換のマナーが盛り上がった。昔、はーいはーいはーい、と雑に配って怒られた。外国人は、はーいと配って尻ポケットにつっこむ。ビジネスマナーの話題も面白い。
Q:日本人が英語を話せることを外国人はどれくらい期待しているか
Q:チャットのとき流れが早いがどうしたらよい?
- ロ:Sorry to go backward. コピペして説明してもらう
- ちょ:ロッシェルさんと同じ
- ア:正確さを気にしない、ちょっと間違っても気にしない。速くアウトプットできるほうがコミュニケーション能力が高い
Q:(外国人社員と日本人社員の中間管理職的な方の質問)インシデントが起きたとき、日本人は対応する中、外国人社員は昼食に行った。文化の違いをどうフォローすればよいか
- ロ:両方からの歩み寄りが必要。非常に難しく、頑張るしかない。相手が言ったことをそのまま伝えるのではなく、気づいてもらうように伝える(gentle way)。 メッセンジャーになってはいけない
- ア:ランチとか話す機会を増やす
前回の講演のQ&Aの紹介
Q:壁を超えたきっかけは?
- ちょ:失敗を恐れるのをやめたときから。受験英語はまちがってはいけないことが重要だった。間違った英語を使って笑われる恐怖があった。話しかけられなくて上司が寂しがっていることに気づいて、間違ってもいいからどんどん話しかけるようにした。知識よりも練習が大事。
Q:日本に来て一番驚いたことは?
- ロ:梅雨どきに靴にカビが生えた。
- ダニエルさん:人が爆睡している電車は平和。携帯を置いて席取りするなんて不用心。
Q:外国語の勉強法は?
ちょまどさんの鉄板ネタ「英語で一番失敗したこと」
- 外国人の上司に、「私のレポートを見てほしいです(I want you to check my report.)」を言おうとして
- いざ目の前にすると英語が出てこなくて、I want you.. I want you ... と連呼して詰まる。
- ロッシェルさん、5回くらい聞いているのにキャーと恥ずかしいリアクション
感想
- 使えそうな英語フレーズを学べて良かった。
- 異文化理解で重要なのは、正確な英語を話すことではなくて、伝えようとすること、自分の常識を捨てて相手を理解しようとすること、だと思った。
- アレックスさんにマンガのセリフをしてもらったのだが、かなりのイケボだった。CDやラジオで流れていそうな話し方。
- ちょまどさんは日本語を話すときは舌足らずで幼さを感じるが、英語を話すときはできる女風で、かっこ良い
参考リンク
- 他の参加者のレポート一覧
chomado.com